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ドン・キホーテの旅―神に抗う遍歴の騎士

ドン・キホーテの旅―神に抗う遍歴の騎士
牛島 信明
ドン・キホーテの旅―神に抗う遍歴の騎士
定価: ¥ 798
販売価格: ¥ 798
人気ランキング: 68045位
おすすめ度:
発売日: 2002-11
発売元: 中央公論新社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

騎士道入門書
 牛島氏は、名訳の評判も高い岩波版『ドン・キホーテ』の新訳をなさった人です。
ドン・キホーテ研究者としては国内随一でしょう。新訳『ドン・キホーテ』の文庫版が
出版されてからわずか一年後、2002年にお亡くなりになったそうで、あまりにも早すぎる
死を惜しむとともに、慎んでご冥福をお祈りします。

 さて、この中公新書の解説本は、ドン・キホーテの制作された背景や基礎知識、
パロディのネタ元の解説など、知っておけばドン・キホーテがより楽しくなる知識や、
牛島氏なりの、松尾芭蕉や寅さんと比較したドン・キホーテ解釈が書かれています。
理論と実例をきっちり押さえており、ドン・キホーテの入門書としては、これに並ぶ
ものはないでしょう。

 星三つとしたのは、もっと知りたくなったマニア向けの内容が少なかったこともありますが、
内容の大半が、すでに牛島氏による岩波版『ドン・キホーテ』の訳注に書かれてあった、
ということが大きいです。(実際、同氏はドン・キホーテの新訳にあたって、パロディの
ネタ元などをきわめて緻密に調べ上げて訳注にまとめており、注を読むだけで楽しめるくらいです)
一言でいうなら、「少し詳しい人なら知っている」という内容で、善かれ悪しかれ入門書
だった、ということですね。

 ですから私は、原作を読んだけれどもピンと来なかった、という方にこの本をお薦め
します。きっと一度読んだときとは違う見方が出来るでしょうから。

近代小説の元祖「ドン・キホーテ」を面白く紹介
岩波文庫の6冊本の「ドン・キホーテ」の訳者による「ドン・キホーテ」のユニークな案内書。
古今の小説家がセルバンテスを崇敬の対象にしてきた理由がこの本を読むことで少しは凡人にも分かるような気がしてくる。作者セルバンテスの報われぬ生涯とスペイン黄金時代の栄光と挫折を絡み合わせながら、あらゆる小説技巧を開拓し、駆使した不世出の天才の姿を様々なモチーフ・視点から照明をあてている。原書を読んでから本書を読むか、本書を読んでから原書を読むか、これが読書人のハムレットの悩みだろう。
聖書のパロディとしての側面を紹介したり、本邦の車寅次郎氏や松尾芭蕉の生き様との比較も大変興味深い。
ただしセルバンテスの細かい生涯は、同じ中公新書の「物語スペインの歴史」の方が詳し?!??。レパントの戦いやアルジェでの捕虜生活が具体的に記述されている。
やはりセルバンテスなしに「スペイン」は語れぬ、ということなのか?

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