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世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記

世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記
久保田 麻琴
世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記
定価: ¥ 987
販売価格: ¥ 987
人気ランキング: 59571位
おすすめ度:
発売日: 2006-04
発売元: 岩波書店
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

熱心に書かれてはいると思うけど
とにかく、ワールドミュージックが好きなヒトなんだろうと思えるし、知識も豊富だし、文章にも熱意があって丁寧に書かれています。
そう言う意味では好感の持てる本です。
また、ミニCD付属なので、ワールドミュージックに疎いヒトでも「ははーん、ここで言ってるワールドミュージックって、こんなイメージなのね」と体験出来るのがグー。

が、「世界の音」と言ってる割には地域限定、3箇所のレポートだけなのが、“ちょっとタイトル違うンじゃないのー”って感じです。
それから、本の半分近くが「自分の音楽感遍歴」と言える内容であって、これもやっぱり“ちょっとタイトル・・・”って感じました。私ャ、著者がどんな音楽聴いて来て、誰に影響受けて、どんな活動して来たかには興味ありませんヨ。

音楽の移動を久保田麻琴が移動して解説する
第 I 部は紀行ありのライヴ・リポート 3 つ。流石、音楽製作の人なので、大袈裟な比喩や思い入れで押し切ることはなく、的確な描写。『ラティーナ』に掲載されたものを大幅加筆してあるとの事だが、専門誌を買う程でないライトなファンがこうやってまとめて読む事ができるのは助かる。

モロッコのグナワがサンバと同じビートの「訛り」(ズレ、グルーヴ)を持っているという個所があるのだが、それをカタカナで表現しているのが秀逸。

[ナ]ダサカ[コ]ナサカ → [ナ]ンダサ[カコ]ンナサ[カ] → 更に発展型
こんな感じで。[ ]は強調。

サンバのリズムが頭に浮かぶ人は吹き出すこと受け合い。強調された一と四拍目が“ハマって”三練符のちんどん屋みたいになり、それが加速していくと、何かヘンな、えも言われぬ気持ちいい状態になる。

第 II 部は対談なのだが、田中勝則という聞き手がいい。同好の士なので話が自然で、しかも内輪話に走らない。ハワイ、沖縄等、いろんな話があるが、印象に残ったのが、日本とインドネシアの類似性の中で、日本の歌謡曲の「濃さ」を伝えるこんな一説。最近 1963 年の紅白歌合戦のヴィディオを見て「この国に行きたい!」と思ったとか。

音の錬金術師とはよく言ったもの。好き者の遍歴は一読の価値あり。ディープなワールド・ミュージックのファンのみならず、宮沢和史、シコ・サイエンスなんかが好きな人は楽しめると思う。

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